1月12日〜16日、西荻窪にあるカドッコというギャラリーで
個展を開催することになりました。
そのDMをカメラマンの武藤奈緒美さんに撮っていただきました。
寒い時期にみなさんをお呼びたてするので
DMは冬がもつ暖かさを表現したいと思っていて。
武藤さんの写真は
きりっとした冬の空気に隠れている毛玉のような暖かさを
映してくれる気がしてお願いしました。
結果は…大成功!
早くも皆さんにお届けするのが楽しみです。
撮影場所は曳舟にあるカフェ「爬虫類館分館」。
お店の一角を貸して下さいました。
かわいくも毒のあるオブジェが並び、
学校の教室みたいな窓が落ち着く不思議な空間です。
そこで流れていたルイ・アームストロングがあまりにも良く、
さっそくツタヤでレンタル。
武藤さん、爬虫類館分館さん、ありがとうございました。
DM、楽しみにしていてください!
爬虫類館分館 http://www.bunkan.com/blog/
武藤奈緒美さんHP http://www.mu-cyo.com/
先日、被災地支援のボランティアをしに行きました。
家族や家や仕事をなくした人々と会いました。
「暑いでしょう」「ありがとう」と言ってくれ、笑ってくれ、
黙って缶コーヒーをおごってくれたおじさんもいました。
なにも聞かなかったけど、
「東京も気をつけなよ」と、
自分の体験を話してくれた人もいました。
会えないひともいました。
話すことがしんどくて、
でも、がんばってメールを返してくれたひと。
ごめんね、って書いてありました。
謝らなくていい。
今、笑えないことも泣けないことも
謝らなくていい。
もう笑えるようになったことも、
泣けるようになったことも
だれにも謝らなくていい。
いつのまにか
が、そのひとに訪れるように
私は時計の針を進めたい
仕事をして、お金を稼いで、
全然関係なく遊んだりもして、
ひまわりの種をまいて、
イチョウの木を見上げて、
そしてまた、岩手に行きます。
むかし、あこがれの先輩がおりまして。
あこがれとすきとはまたちがうもんなのか、
ちゃんと、すきな人も別におりまして。
別にどちらともどうともならなかったのですが、
今思うと、贅沢だなあと思います。
あこがれもすきも、両方持っていたなんて。
ある夏の日、先輩を見つめていました。
半袖Tシャツからのびる、ごつっとしたひじ。
じぶんのひじの三倍くらいありそうな、ひじ。
そこにかさぶたがあって、
あかあくなってたのです。
いちばんの頂点があかあくなって
だんだん皮膚にとけこんで
きれいなきれいなグラデーションで。
「いちごのかき氷みたいやなあ」
と私が言うと、
先輩は
「俺をおいしそうなもんに例えるなっ!」と言って
わたしの頭をはたきました。
そのとき
わたしのあこがれの気持ちが
先輩に伝わったのがわかりました。
夏が来るたび、思い出します。
先輩、元気やろか。
いじめたこともいじめられたことも
いじめを見てみぬふりしたこともあるから
偉そうなことはいえないけど。
いじめにあったとき、
あとからそのいじめっ子に
「あのとき、親が離婚しかけていて
家族仲いい話ばっかりするあなたが嫌だった。
だからいじめたのだと思う。ごめん」
と言われた。
「知るかよ」と思った。
私が家族の話ばかりしていたのは
そのころ、父が大きな病気をしていて
死ぬかもしれないと、思っていたからだった。
父の病気の話はほとんど誰にもしていなかった。
誰かに話すと、本当に父の病気が悪くなって
死んでしまう気がしたから。
他人をいじめていい理由なんて、絶対にない。
いじめていい人間なんて、どこにもいない。
あのとき、いじめた相手に本気で怒れてよかった。
わたしはいじめられてはいけない人間なんだ、
いじめられる理由なんてない、と怒れてよかった。
それはたぶん、自分を大事にしてくれるひとたちが
ちゃんといたから。
そんなことも見失うくらい、
ひどいいじめもあるんだと思う。
でも絶対に
いじめられていい人間なんていない。
いじめていい状況なんてない。
刺繍姉妹展にご来場のみなさま
ありがとうございました。
いつのまにか夏がきていました。
じりじりと灼ける暑さのなかで
蟻も蝉も生きているのに
自分だけ一歩も進めていないんじゃないかと
思うとき
この「水族館」のことばハンカチを思い浮かべます
知らないだけで
私のすぐうしろで
私が欲しい奇跡は起きつつあるのかもしれない
私が思いつきもしないかたちで
世界はたしかに動いていて
私もまたその中のひとつとして
奇跡を起こしている途中かもしれない
綿子
糸を針に通して、チクチク縫って、糸の色を替えて、また針に通して……。
少しずつしか形にならないのが、刺繍。時間がかかるのが、刺繍。
でも、あの日から、
なんでもあの日に結び付けてはいけないけれど、
やっぱり、あの日から、
そういう時間がとても大切で。
ひと針縫えば、ひと針ぶん、かたちになる。
その確かさを感じていたかったんだと思います。
桜、雨、すいか、イチョウ、雪。
移り変わる季節を縫いとめたのは、
どんな年でも変わらずめぐっていく、その確かさが
刺繍とおんなじで、やっぱり心強かったから。
今年も春が来ました。
刺繍と一歩って似てると思う。
清 綿子
【「刺繍姉妹展」開催のお知らせ】
昨年3月に結成した刺繍アートユニット「刺繍姉妹」の展覧会です。
イラストレーターの藤原千晶さんとオオノ・マユミさん、綿子による刺繍を使った三人三様の作品を展示します。テーマは「季節」。
ご来場、お待ちしております。
2012年4月6日(金)〜4月19日(木)
※ただし、9日と16日はお休み。
@アール座読書館http://r-books.jugem.jp
東京都杉並区高円寺南3-57-6 2F
電話:03-3312-7941
火〜金13:30〜22:30
土日祝12:00〜22:30
月曜定休
※営業日時は変更の場合アリ。HPでチェック!
【行き方】高円寺南口を出て右にあるPAL商店街を入る。ダイソーの向かいにある洋服屋の角を右折。少し歩いた左手にあるビルの二階。
※会場は、読書のための喫茶店。ゆえに、おしゃべりは禁止です。また、必ずワンオーダーをお願いします。